第1種衛生管理者試験 2023年4月公表試験問題(過去問)の出題事項を3分でチェック!

こんにちは。衛生管理者試験対策講習会 専門講師の高山です。

2023年(令和5年)4月に公表された過去問(公表試験問題)の出題事項を全問整理して解説コメントを付けました。

◇問題は以下よりダウンロードできます。
第1種衛生管理者試験 2023年(令和5年)4月 公表試験問題


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2023年4月 第1種衛生管理者試験 公表試験問題(過去問)の出題ポイント解説

関係法令(有害業務)10問

問1 安全衛生管理体制(有害業務)
常時500人超の事業場で、
強烈な騒音を発する場所における業務常時30人以上の労働者を従事させる事業場では、
専任の衛生管理者が少なくとも1人必要です。

問2 作業主任者
製造工程において硫酸を用いて行う洗浄の作業 → 特定化学物質作業主任者が必要
石炭を入れてあるホッパーの内部における作業 → 酸素欠乏危険作業主任者が必要

問3 特別教育
有機溶剤を取り扱う作業に係る業務は、特別教育は不要です。

問4 定期自主検査
第2種有機溶剤(トルエン)を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置は、定期自主検査の対象です。 

問5 有機溶剤中毒予防規則
有機溶剤等健康診断個人票の保存期間は5年間

問6 酸素欠乏症等防止規則
海水が滞留したことのあるピットの内部における作業は、第二種酸素欠乏危険作業に該当するため、
酸素欠乏危険作業主任者技能講習ではなく、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。

問7 じん肺法
じん肺管理区分が管理4と決定された者、および、(管理2または管理3で)合併症にかかっていると認められる者は、療養を要するものとされています。 

問8 衛生基準(有害業務)
硫化水素濃度が10ppmを超える場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

問9 作業環境測定
鉛ライニングの業務を行う屋内作業場における空気中の鉛濃度の測定 ➡ 1年以内ごとに1回 

問10 妊産婦
満18歳以上で産後8週間を経過したが1年を経過しない女性は、
さく岩機、鋲打機等身体に著しい振動を与える機械器具を用いて行う業務に就かせることはできません。

このため、本人から従事したい旨の申出があった場合でも、この業務に就かせることはできません。

労働衛生(有害業務)10問

問11 化学物質のリスクアセスメント
化学物質等による疾病のリスクの低減措置について、法令に定められた措置以外の措置を検討する場合、
選択肢の中で、優先度の最も高いものは、化学反応のプロセス等の運転条件の変更になります。

問12 空気中の有害物質
塩化ビニル  ➡ ガス
ジクロロベンジジン ➡ 粉じん
アクリロニトリル蒸気
エチレンオキシド ➡ ガス
二酸化マンガン ➡
粉じん

問13 潜水業務
一酸化炭素中毒は、潜水作業、高圧室内作業などの作業における高圧の影響または高圧環境下から常圧に戻る際の減圧の影響により、直接には発症しません。

問14 有機溶剤による健康障害
二硫化炭素は、動脈硬化を進行させたり、精神障害を生じさせることがあります。 

問15 騒音による健康障害
等価騒音レベルとは、ある時間範囲について、変動する騒音レベルをエネルギー的な平均値として表した量です。

問16 作業環境における有害因子による健康障害
レイノー現象は、振動工具などによる末梢循環障害で、冬期に発生しやすい。

問17 ガスによる健康障害
シアン化水素 ➡ 細胞内の酸素の利用の障害による呼吸困難・けいれん等

問18 労働衛生保護具
空気呼吸器は、清浄な空気をボンベに詰めたものを空気源として作業者に供給する自給式呼吸器
送気マスクは、清浄な空気をパイプ・ホースなどにより作業者に給気するもので自給式呼吸器ではありません。

問19 特殊健康診断
特殊健康診断において有害物の体内摂取量を把握する検査として、生物学的モニタリングがあり、
スチレンについては、尿中のマンデル酸及びフェニルグリオキシル酸の総量を測定し、
については、尿中のデルタアミノレブリン酸の量を測定する。 

問20 局所排気装置
キャノピ型フードレシーバ式

関係法令(有害業務以外)7問

問21 安全衛生管理体制
燃料小売業では、常時300人以上の事業場で、総括安全衛生管理者の選任が義務付けられています。

問22 衛生委員会
当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士を衛生委員会の委員として指名することができます(ただし任意。義務ではありません。)。 

問23 定期健康診断
定期健康診断を受けた労働者に対しては、遅滞なく、当該健康診断の結果を通知しなければなりません。 

問24 医師による面接指導
面接指導の対象となる労働者
原則として、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合における
その超えた時間が1か月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者

問25 ストレスチェック
■心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施者
①医師
②保健師
③歯科医師(法定研修修了者)
④看護師(法定研修修了者)
⑤精神保健福祉士(法定研修修了者)
⑥公認心理師(法定研修修了者)

問26 労働時間
フレックスタイム制の清算期間は、3か月以内の期間に限られます。 

問27 年次有給休暇
比例付与対象者の有給休暇の付与日数は、次の計算式で求めることができます。
通常の労働者の有給休暇日数×比例付与対象者所定労働日数÷5.2日
(計算後、小数点以下は切り捨てる)

本問を、計算式に当てはめると、
16×4÷5.2=12.307‥‥
小数点以下は切り捨てなので、答えは12日となります。

労働衛生(有害業務以外)7問

問28 心の健康の保持増進に係る指針
・「心の健康づくり計画」の策定に当たっては、衛生委員会や安全衛生委員会で調査審議を行うことが必要。
「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」、「事業場外資源によるケア」の四つのケアを効果的に推進する。

問29 職場における受動喫煙防止のためのガイドライン
喫煙専用室の出入口における室外から室内に流入する空気の気流について、6か月以内ごとに1回、定期に測定することは、ガイドラインに定められていません

問30 労働衛生管理統計
生体から得られたある指標が正規分布である場合、そのばらつきの程度は、分散標準偏差によって表される。

問31 虚血性心疾患
虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、
脳血管自体の動脈硬化性病変による脳血栓症と、
心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳塞栓症
分類されます。

問32 食中毒
腸炎ビブリオ菌は、熱に弱い  

問33 感染症
感染源の人が咳やくしゃみをして、唾液などに混じった病原体が飛散することにより感染することを飛沫感染といい、インフルエンザや普通感冒の代表的な感染経路である。

問34 事業場における労働者の健康保持増進のための指針
健康測定とは、健康指導を行うために実施される調査、測定等のことをいい、
疾病の早期発見に重点をおいた健康診断を活用しつつ、
追加で生活状況調査や医学的検査等を実施するものである。

☞初出題の難問ですが、また本試験で同じ問題が出た場合は正解できるようにしておきましょう!

労働生理 10問

問35 呼吸
成人の呼吸数は、通常、1分間に16~20回であるが、食事、入浴、発熱などによって増加する。 

問36 心臓の働きと血液循環
心臓は、洞結節(洞房結節)で発生した刺激が、刺激伝導系を介して心筋に伝 わることにより、規則正しく収縮と拡張を繰り返す。  

問37 神経系
Bは、脳梁(のうりょう)です。
小脳ではありません。
脳梁は、大脳の中央のあたりにあり、左右の大脳半球をつなぐ働きをしています。

問38 栄養素 
炭水化物(糖質) → アミラーゼ・マルターゼ
脂質 → リパーゼ
蛋白質 → トリプシン・ペプシン

問39 腎臓
血液中の尿素窒素(BUN)の値が高くなる場合は、腎臓の機能の低下が考えられます。

問40 血液
アルブミン → 血液浸透圧の維持に関与する。
グロブリン → 免疫物質の抗体を含む。 

問41 感覚器・感覚
冷覚と温覚では、冷覚の方が鋭敏。

問42 免疫
免疫には、リンパ球が産生する抗体によって病原体を攻撃する体液性免疫と、
リンパ球などが直接に病原体などを取り込んで排除する細胞性免疫の二つがある。
 

問43 筋肉
筋肉自体が収縮して出す最大筋力は、筋肉の断面積1cm² あたりの平均値をとると、性差、年齢差がほとんどない。

問44 睡眠
脳の松果体から分泌されるメラトニンは、夜間に分泌が上昇するホルモンで、睡眠と覚醒のリズムの調節に関与している。

☞メラトニンは『睡眠ホルモン』ともいわれます。

衛生管理者試験では、過去問の類似問題が多く出題されます。
見たことがない新しい問題も何問かは出題されますが、過去問をしっかりマスターしていれば合格できます。
過去5年分(10回分)の過去問を繰り返し学習することをおすすめします。

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