第一種衛生管理者試験 平成29年4月公表試験問題(過去問)の出題項目を3分でチェック!
こんにちは。衛生管理者試験対策講習会 専門講師の高山です。
平成29年4月に公開された公表試験問題(過去問)で出題された項目を全問整理し、解説コメントを付けました。
◇問題は以下よりダウンロードできます。
第1種衛生管理者試験 平成29年4月 公表試験問題
関係法令(有害業務)10問
問1 安全衛生管理体制
専属の産業医が必要な事業場は、
常時1000人以上の事業場
または
常時500人以上が一定の有害業務(深夜業を含む業務など)に従事する事業場
問2 製造許可物質
ジアニシジンは、特定化学物質 第一類物質(製造許可物質)
特定化学物質の第一類物質(7つ)を覚えるのはちょっと大変。語呂合わせを作りました。
【衛生管理者試験 語呂合わせ】特定化学物質 第一類物質(7つ)
問3 機械等の譲渡等の制限
電動ファン付き呼吸用保護具は譲渡等の制限あり。
問4 作業主任者
酸素欠乏危険作業(例:酒類を入れたことのある醸造槽の内部における作業)では、作業主任者の選任が必要です。
問5 作業環境測定士
有機溶剤を製造又は取り扱う屋内作業場における空気中の有機溶剤濃度の測定は作業環境測定士が実施しなければなりません。
問6 特別教育
特定化学物質業務、有機溶剤業務などは、特別教育の対象外です。
問7 有機溶剤中毒予防規則
地下室の内部の作業場において、第三種有機溶剤等で吹付けによる塗装作業を行うときは、①発散源の密閉、②局所排気装置設置、③プッシュプル型換気装置設置のいずれかが必要です。全体換気装置設置ではダメです。
問8 酸素欠乏症等防止規則
第二種酸素欠乏危険作業のキーワードは『海水』『汚水』です。
問9 粉じん障害防止規則
屋内においてフライアッシュを袋詰めする箇所は特定粉じん発生源に該当します。
問10 労働基準法(満18歳に満たない者を就かせてはならない業務)
赤外線又は紫外線にさらされる業務は、満18歳未満でも就かせることができます。
労働衛生(有害業務)10問
問11 空気中の有害物質
アセトン ➡ 蒸気
問12 有機溶剤
低濃度の有機溶剤の繰り返しばく露では、頭痛、めまい、記憶力減退、不眠などの不定愁訴がみられます。
問13 作業環境における騒音
騒音性難聴は、内耳の蝸牛の中の有毛細胞が変性することによって起こります。
問14 作業環境における有害要因による健康障害
電離放射線の被ばくによる発がんと遺伝的影響 ⇒ 確率的影響
問15 化学物質による健康障害
一酸化炭素 ⇒ 血液中のヘモグロビンに含まれる酸素運搬能力を低下させ体内の各組織に酸素欠乏状態を引き起こす。
問16 労働衛生保護具
防じんマスクでは、粉じん等が面体内に漏れ込む恐れがあるので、面体接顔部に接顔メリヤス等を使用しないようにします。
問17 作業環境測定
B測定 ⇒ 単位作業場所中の有害物質の発散源に近接する場所で作業が行われる場合、有害物質の気中濃度の最高濃度を知るために行う測定。
問18 局所排気装置
局所排気装置の経路は次のとおりです。
①フード → ②吸引ダクト(枝ダクト→主ダクト)→ ③空気清浄装置 → ④ファン (排風機)→ ⑤排気ダクト→⑥排気口
解説ブログを書きました。
衛生管理者試験過去問『局所排気装置』平成29年4月公表問題【 第一種 問18】
問19 特殊健康診断
有害物質による健康障害の多くは、初期・軽度の場合はほとんどが無自覚。このため医師による問診より、検査結果などの他覚的所見によって早期に発見されることの方が多い。
問20 リスクアセスメント
ハザード → 建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、または作業行動その他業務に起因する危険性・有害性
リスク → 危険性・有害性によって生ずるおそれのあるけがや疾病の重篤度と発生する可能性の度合い
関係法令(有害業務以外)7問
問21 衛生管理者の職務
衛生管理者の職務に衛生推進者の指揮に関することはありません。
問22 衛生委員会
議長以外の委員の半数は、事業場の過半数労働組合(ない場合は労働者の過半数を代表する者)の推薦に基づき指名しなければなりません。
問23 衛生基準
=作業面の照度=
精密な作業 ➡ 300ルクス以上
普通の作業 ➡ 150ルクス以上
粗な作業 ➡ 70ルクス以上
問24 医師による面接指導
労働者は、事業者の指定した医師による面接指導を希望しない場合は、他の医師の行う面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出することができます。
問25 定期健康診断
定期健康診断で尿検査は省略できません。
問26 年次有給休暇
◆年次有給休暇の付与日数
(週所定労働時間30時間以上の場合)
継続勤務 | 付与日数 |
6か月 | 10日 |
1年6か月 | 11日 |
2年6か月 | 12日 |
3年6か月 | 14日 |
4年6か月 | 16日 |
5年6か月 | 18日 |
6年6か月 | 20日 |
※週所定労働時間が30時間未満のパートタイム労働者などについては、週または年間の所定労働日数により、年次有給休暇の付与日数が別途定められています。
問27 育児時間
育児時間は女性労働者からの請求により付与されます。
労働衛生(有害業務以外)7問
問28 厚生労働省『労働者の心の健康の保持増進のための指針』
メンタルヘルスケアでは、次の4つのケアを継続的かつ計画的に行うことが重要です。
◆4つのケア
➀セルフケア
②ラインによるケア
③事業場内産業保健スタッフ等によるケア
④事業場外資源によるケア
問29 厚生労働省『事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針』
今回はじめて出た問題です!
快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し考慮すべき事項
①継続的かつ計画的な取組
②労働者の意見の反映
③個人差への配慮
④潤いへの配慮
☞本指針において、快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し考慮すべき事項の中に「経営者の意向の反映」は書かれていません。
問30 一次救命処置
口対口人工呼吸で1回の吹き込みにかける時間は約1秒
問31 虚血性心疾患
虚血性心疾患の検査で、運動負荷心電図検査は有用です。
問32 食中毒
ノロウイルスの潜伏期間 ⇒ 1~2日間
問33 厚生労働省『事業場における労働者の健康保持増進のための指針』
*指針が変更されたため削除
問34 熱傷
熱傷で水疱ができたとき破ってはダメ。
労働生理 10問
問35 呼吸
呼吸運動は、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋が収縮と弛緩をすることで胸腔内の圧力を変化させ、肺を受動的に伸縮させることにより行われる。
問36 心臓の働きと血液の循環
①体循環(大循環)
左心室⇒大動脈(動脈血)⇒全身の組織⇒大静脈(静脈血)⇒右心房⇒(肺循環へ)
②肺循環(小循環)
右心室⇒肺動脈(静脈血)⇒肺⇒肺静脈(動脈血)⇒左心房⇒(体循環へ)
問37 神経系
大脳の外側 → 大脳皮質 灰白質・神経細胞の細胞体が集まっている
大脳の内側 → 大脳髄質 白質・神経線維が多い
問38 栄養素の消化及び吸収
炭水化物、蛋白質、脂質を分解する酵素の名前を覚えましょう。
炭水化物 ⇒ アミラーゼ
脂質 ⇒ リパーゼ
蛋白質 ⇒ トリプシン、ペプシン
問39 血液
ヘマトクリット(血液中に占める赤血球の容積の割合)の値は、貧血になると低くなります。
問40 腎臓又は尿
糸球体からボウマン嚢に濾し出されるもの、濾し出されないものを覚えるのは必須です。
濾し出されるもの ⇒ 水分・糖(グルコース)・電解質など
濾し出されないもの ⇒ 血球・蛋白質
問41 感覚又は感覚器
眼は、水晶体の厚さを変えることにより焦点距離を調節して網膜の上に像を結ぶようにしている。
問42 疲労
身体活動強度(メッツ)は、身体活動の強さが安静時の何倍に相当するかを表す単位。
1メッツ 【←これが基準】 座って安静にしている状態
3メッツ 普通歩行している状態
問43 ストレス
ストレスは、心身の活動を活発にしたり、抑圧したりという反応のひきがねになります。
適度なストレスは精神や身体を活性化させます。抑圧するばかりではありません。
問44 体温調節
高温にさらされ体温が正常以上に上昇すると、内臓の血液量が減少し体内の代謝活動が減少することにより、人体の放熱が促進されます。
衛生管理者試験では、同じような問題が繰り返し出題されますので、過去問を中心に学習することが重要です。
本試験では見たことがない新しい問題も何問かは出題されると思いますが、過去問をしっかりマスターしていれば、合格する可能性は極めて高いです。できれば過去5年分(10回分)の過去問を学習することをおすすめします。
ブログをお読みいただきましてありがとうございました。