第1種衛生管理者 平成30年10月公表試験問題(過去問)の出題事項を3分でチェック!

こんにちは。衛生管理者試験講習会 専門講師の高山です。

平成30年10月に公表された、過去問(公表試験問題)の出題事項を全問整理して解説コメントを付けました。

◇問題は以下よりダウンロードできます。
第1種衛生管理者試験 平成30年10月 公表試験問題

 

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平成30年10月 第1種衛生管理者試験 公表試験問題の出題ポイント解説

関係法令(有害業務)10問

問1 安全衛生管理体制
専属の産業医が必要な事業場
常時1000人以上の事業場
深夜業を含む業務など労働安全衛生規則13条1項3号に掲げる業務に常時500人以上を従事させる事業場

問2 定期自主検査
屋内のフライアッシュを袋詰めする箇所に設けたプッシュプル型換気装置は、フライアッシュを袋詰めする作業が特定粉じん作業に該当するため定期自主検査の対象になります。

問3 特殊健康診断
鉛業務健康診断の検査項目には、尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査があります。

問4 特別教育
有機溶剤を用いて行う業務特定化学物質を用いて行う業務などは特別教育の対象外です。

問5 特定化学物質障害予防規則
特定化学物質障害予防規則には、特定化学物質の用後処理として、除じん、排ガス処理、排液処理、残さい物処理、ぼろ等の処理の規定があります。

■排液処理装置の処理方式
硫酸・塩酸・硝酸 ➡ 中和方式
アルキル水銀化合物・硫化ナトリウム ➡ 酸化・還元方式
シアン化カリウム・シアン化ナトリウム ➡ 酸化・還元方式、活性汚泥方式

問6 粉じん障害防止規則
特定粉じん作業
を行う屋内作業場では、局所排気装置などによる換気を行う必要があります。全体換気装置ではダメです。

問7 有機溶剤中毒予防規則
地下室の内部の作業場において、常時、第3種有機溶剤等で吹付けによる塗装作業を行うとき、①発散源の密閉、②局所排気装置、③プッシュプル型換気装置のいずれかが必要です。全体換気装置ではダメです。

解説ブログを書きました。
衛生管理者試験過去問 『有機溶剤中毒予防規則』平成30年10月公表問題【第一種 問7】

問8 酸素欠乏症等防止規則
第二種酸素欠乏危険作業(酸素欠乏症、硫化水素中毒にかかるおそれのある場所での作業)のキーワードは『海水』『汚水』です。 

問9 作業環境測定
等価騒音レベルの測定6か月以内ごとに1回

問10 労働基準法
全ての女性労働者について、20kg以上の重量物を継続作業として取り扱う業務は就業禁止です。

労働衛生(有害業務)10問

問11 化学物質等のリスクアセスメント
厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に示されている、化学物質等による疾病に係るリスクを見積もる方法についての問題です。
対象の業務について、作業環境測定等により測定した作業場所における化学物質等の気中濃度等を、当該化学物質等のばく露限界と比較する方法(実測値法)はありますが、当該化学物質の管理濃度と比較する方法はありません。

問12 空気中の有害物質
ホルムアルデヒド
➡ガス

問13 化学物質とがん
塩化ビニル ➡ 肝血管肉腫
ベンジジン ➡ 膀胱がん
ビス(クロロメチル)エーテル ➡ 肺がん
クロム酸 ➡ 肺がん
石綿 ➡ 肺がん

問14 金属による健康障害
鉛中毒による症状➡貧血、伸筋麻痺、腹部の疝痛

問15 粉じんによる健康障害
石綿(アスベスト)➡胸膜肥厚、胸膜中皮腫、肺がん
遊離けい酸➡けい肺結節

問16 作業環境における騒音
騒音性難聴は、騒音により、音を神経に伝達する内耳蝸牛の有毛細胞が変性することにより起こります。

問17 作業環境における有害要因による健康障害
金属熱は、金属の溶融作業などで亜鉛、銅などのヒュームを吸入したときに発生し、悪寒、発熱、関節痛などの症状がみられます。金属熱の『熱』は高温環境の作業とは関係ありません。

問18 作業環境の測定と評価
A測定とB測定を行った場合、第一管理区分になるのは、A測定の第一評価値とB測定の測定値がいずれも管理濃度に満たない単位作業場所です。
☞A測定の第二評価値は、第一管理区分の評価では使いません。第二管理区分、第三管理区分の評価で使います。

問19 局所排気装置
局所排気装置の効果
〈効果が高い順〉
1.囲い式【カバー型(最も効果が高い)、グローブボックス型、ドラフトチェンバー型、建築ブース型】
2.外付け式
3.レシーバー式

問20 労働衛生保護具
防毒マスクの吸収缶の色
一酸化炭素用 ➡ 赤
有機ガス用 ➡ 黒

関係法令(有害業務以外)7問

問21 衛生管理者の職務
衛生管理者の職務に、事業者に対し労働者の健康管理等について必要な勧告をすることはありません。
この勧告を行うのは衛生管理者ではなく産業医です。

問22 産業医
産業医は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任しなければなりません。

問23 定期健康診断
定期健康診断において、尿検査・血圧測定などは省略できません。

問24 医師による面接指導
面接指導の結果の記録 ➡ 5年間保存

問25 衛生基準
常時50人以上または常時女性30人以上の事業場では、労働者が臥床のできる休養室または休養所を男女別に設ける必要があります。

問26 妊産婦
妊産婦が請求した場合には、深夜業をさせてはならない(管理監督者等の場合も含む)。

問27 年次有給休暇
3年6か月継続勤務した人の有給休暇日数
週所定労働時間が30時間以上または週所定労働日数が週5日以上(通常の労働者)⇒14日
週所定労働時間が30時間未満かつ週所定労働日数が週4日以下(比例付与対象者)⇒10日

比例付与対象者の有給休暇日数は次の計算式で出すことができます。
通常の労働者の有給休暇日数×比例付与対象者所定労働日数÷5.2日
【例題】
週所定労働時間25時間・週4日勤務で3年6か月継続勤務した人の有給休暇日数は?
14×4÷5.2=10.769・・・小数点以下は切り捨てます→答え 10日

労働衛生(有害業務以外)7問

問28 必要換気量
必要換気量(m³/h)=
在室者全員が呼出する二酸化炭素量÷(室内二酸化炭素基準濃度-外気の二酸化炭素濃度)
0.018×12÷(1000-400)=0.216÷600=0.00036
単位がppm(100万分のいくつかを表す単位)となっているので、最後に100万をかけます。
0.00036×1,000,000=360
必要換気量は360m³/h

問29 厚生労働省『労働者の心の健康の保持増進のための指針』
◆4つのケア
➀セルフケア

②ラインによるケア
③事業場内産業保健スタッフ等によるケア
④事業場外資源によるケア
☞4つのケアに、同僚によるケアはありません。

問30 厚生労働省『事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針』

快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し考慮すべき事項
①継続的かつ計画的な取組
②労働者の意見の反映
③個人差への配慮
④潤いへの配慮

☞快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し考慮すべき事項の中に「経営者の意向の反映」は書かれていません。

解説ブログを書きました。
衛生管理者試験過去問 厚生労働省『事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針』平成30年10月公表問題【第一種 問30・第二種 問16】

問31 一次救命処置
口対口人工呼吸で1回の吹き込みにかける時間は約1秒

問32 骨折
完全骨折 ➡ 骨が完全に折れている状態
不完全骨折 ➡ 骨にひびが入った状態

問33 食中毒
魚、チーズなどに含まれるヒスチジンが細菌により分解されて生成するヒスタミンは、加熱により分解されません

問34 メタボリックシンドロームの診断基準
腹部肥満(内臓脂肪の蓄積)⇒ 腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上に加えて、
①高血圧②高血糖③脂質異常のうち2つ以上にあてはまる。

労働生理 10問

問35 呼吸
身体活動時には、血液中の二酸化炭素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1回換気量および呼吸数が増加します。

問36 心臓の働きと血液の循環
肺循環は、右心室から肺動脈を経て肺の毛細血管に入り、肺静脈を通って左心房に戻る血液の循環です。

問37 神経系
大脳皮質(大脳の外側) ⇒ 灰白質で、神経細胞の細胞体が集まっており、感覚、運動、思考などの作用を支配する中枢として機能する。
大脳髄質(
大脳の内側) ⇒ 白質で、神経線維が多い。

問38 栄養素の消化及び吸収
炭水化物、蛋白質、脂質を分解する消化酵素の名前を覚えましょう。
炭水化物 ⇒ アミラーゼ
脂質 ⇒ リパーゼ
蛋白質 ⇒ トリプシン、ペプシン

問39 腎臓又は尿
糸球体からボウマン嚢に濾し出されるもの、濾し出されないものを覚えるのは必須です。
濾し出されるもの ⇒ 水分・糖(グルコース)・電解質など
濾し出されないもの ⇒ 血球・蛋白質

問40 血液
血漿中の蛋白質
アルブミン ⇒ 血液浸透圧を維持する。
グロブリン ⇒ 免疫物質の抗体を含む。

問41 視覚
眼は、水晶体の厚さを変えることにより焦点距離を調節して網膜上に像を結ぶようにしています。

問42 ホルモン
ホルモン名・内分泌器官・はたらきの組み合わせを選ぶ問題はよく出題されます。
メラトニン・脳の松果体・入眠作用や睡眠維持作用
☞メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれます。

問43 代謝
エネルギー代謝率の値は、体格、性別などの個人差による影響は少なく、同じ作業であれば、ほぼ同じ値となります。

問44 ストレス
ストレスは、心身の活動を活発にしたり、抑圧したりという反応のひきがねになります。
適度なストレスは精神や身体を活性化させます抑圧するばかりではありません

以上です。

衛生管理者試験では、過去問の類似問題が多く出題されます。
見たことがない新しい問題も何問かは出題されますが、過去問をしっかりマスターしていれば合格できます。過去5年分(10回分)の過去問を繰り返し学習することをおすすめします。

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