こんにちは。衛生管理者試験対策講習会 専門講師の高山です。
今回のテーマは【酸素欠乏症等防止規則】です。

1.出題頻度は?

過去問 直近10回中【酸素欠乏症等防止規則】の問題は7回出題されています。

※2018年4月~2022年10月までの過去問10回分の当社分析による。

※過去問(公表試験問題)は、衛生管理者試験の主催団体である 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 が年2回(4月・10月)HP上で公表しています。

2.酸素欠乏症等防止規則の出題ポイント


(1)第一種酸素欠乏危険作業と第二種酸素欠乏危険作業との違い

はじめに、酸素欠乏とはどういう状態であるのかを覚えましょう。

酸素欠乏とは? ⇒
空気中の酸素濃度が
18%未満の状態をいいます。


①第一種酸素欠乏危険作業とは?


主として酸素欠乏症が起こる場所での作業。


・酸素濃度を18%以上に保つように換気しなければなりません。



②第二種酸素欠乏危険作業とは?


酸素欠乏症のほか、硫化水素中毒(硫化水素濃度が100万分の10(10ppm)を超える空気を吸うことにより生ずる症状が認められる状態)にかかるおそれのある場所での作業。

・酸素濃度を18%以上かつ硫化水素濃度を100万分の10(10ppm)以下に保つように換気しなければなりません。


(2)第一種酸素欠乏危険作業と第二種酸素欠乏危険作業の具体的な作業例

① 第一種酸素欠乏危険作業の例
・果菜の熟成のために使用している倉庫の内部における作業
・酒類を入れたことのある醸造槽の内部における作業
・ドライアイスを使用している冷蔵庫内部における作業
・第一鉄塩類を含有している地層に接するたて坑の内部における作業
・相当期間密閉されていた鋼製のタンクの内部における作業

② 第二種酸素欠乏危険作業の例
海水が滞留している(又は滞留したことのある)ピット(くぼみ)の内部における作業
汚水その他腐敗しやすい物質を入れてある槽の内部における作業


(3)酸素欠乏危険作業を行うにあたっての主な措置

第一種酸素欠乏危険作業を行う作業場
その日の作業開始前に、空気中の酸素濃度を測定する。

第二種酸素欠乏危険作業を行う作業場
その日の作業開始前に、空気中の酸素濃度・硫化水素濃度を測定する。


・爆発や酸化を防止するため、酸素欠乏危険作業を行う場所の換気を行えない場合は、労働者の人数と同数以上の空気呼吸器、酸素呼吸器、送気マスクを備え、使用させなければならない。
防毒マスクは使用できません。

・入退場時に人員を点検しなければならない。

・換気を行うときは、純酸素を使用してはならない

・酸素欠乏危険作業主任者(技能講習修了者)の選任が必要。


(4)特別教育の項目
酸素欠乏危険作業にかかる業務を行わせるときには、次の特別教育を実施する。

第一種酸素欠乏危険作業
①酸素欠乏の発生の原因
②酸素欠乏症の症状
③空気呼吸器等の使用方法
④事故の場合の退避および救急蘇生の方法
⑤その他、酸素欠乏症の防止に関する必要な事項

第二種酸素欠乏危険作業
①酸素欠乏等(※1)の発生の原因
②酸素欠乏症等(※2)の症状
③空気呼吸器等の使用方法
④事故の場合の退避および救急蘇生の方法
⑤その他、酸素欠乏症の防止に関する必要な事項

※1 酸素欠乏等
空気中の酸素濃度が18%未満である状態または空気中の硫化水素濃度が100万分の10を超える状態をいう。

※2 酸素欠乏症等
酸素欠乏症または硫化水素中毒をいう。

今回は、『酸素欠乏症等防止規則』について書きました。お読みいただきましてありがとうございました。

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