こんにちは。衛生管理者試験対策講習会 専門講師の高山です。

今回のテーマは『特殊健康診断』(出題科目:労働衛生(有害))です。

1.出題頻度は?

過去問(公表試験問題)直近10回中【特殊健康診断】の問題は5回出題されています。

※2018年4月~2022年10月までの過去問10回分の当社分析による。

※過去問(公表試験問題)は、衛生管理者試験の主催団体である安全衛生技術試験協会が年2回(4月・10月)HP上で公表しています。

2.特殊健康診断とは?

特殊健康診断とは、有害な業務に従事する労働者に対して行う特別の項目についての健康診断です。

【特殊健康診断の例】
・じん肺健康診断

・高気圧作業健康診断
・電離放射線健康診断
・鉛健康診断
・有機溶剤等健康診断
・特定化学物質等健康診断
・石綿健康診断

3.特殊健康診断の出題ポイント

(1)特殊健康診断の目的

・有害業務への配置替えの際に行う特殊健康診断には、業務適性の判断と、その後の業務の影響を調べるための基礎資料を得るという目的があります。

・特殊健康診断では、対象とする特定の健康障害と類似の他の疾患との判別が、一般健康診断よりも一層強く求められます。


(2)有害物質による健康障害の特徴

・初期・軽度の場合はほとんどが無自覚。そのため、医師が患者に質問する問診より、検査結果などの他覚的所見によって早期に発見されることの方が多いです。

検査が重要と覚えましょう。


(3)生物学的モニタリング

・特殊健康診断における有害物の体内摂取量を把握する検査として代表的なものに生物学的モニタリングがあります。

有機溶剤は、生物学的半減期が短いので、有機溶剤等健康診断における有機溶剤代謝物の量の検査においては、採尿の時刻を厳重にチェックする必要があります。

・血中の生物学的半減期は長いため、鉛健康診断における採尿時期は任意でかまいません。


(4)振動工具取扱い作業者に対する特殊健康診断

振動工具取扱い業務では寒冷期にレイノー現象が生じやすいので、特殊健康診断を1年に2回行う場合、そのうち1回は冬期に行うとよい。

4.過去問で問題練習をしましょう!

次の文章は正しいか?誤りか?

Q1 有害物質による健康障害は、多くの場合、諸検査の異常などの他覚的所見より自覚症状が先に出現するため、特殊健康診断では問診の重要性が高い。

A1 誤り。
有害物質による健康障害の多くは、初期・軽度の場合はほとんどが無自覚。そのため、医師が患者に質問する問診より、検査結果などの他覚的所見によって早期に発見されることが多い。

Q2 有機溶剤等健康診断における尿の採取は、任意の時期に行ってよいが、鉛は生物学的半減期が短いので、鉛健康診断における尿又は血液の採取時期は、厳重にチェックする必要がある。

A2 誤り。
有機溶剤の場合は、生物学的半減期が短いので、有機溶剤等健康診断における有機溶剤代謝物の量の検査においては、採尿の時刻を厳重にチェックする必要がある。一方、血中鉛の生物学的半減期は長いため、鉛健康診断における採尿時期は任意でよい。

今回は、特殊健康診断について書きました。お読みいただきましてありがとうございました。

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