こんにちは。衛生管理者試験講習会 専門講師の高山です。
今回のテーマは、体温調節の問題で、ときどき出題される『気化熱』です。


例えばこんな選択肢が出ます。

計算上、100gの水分が体重70kgの人の体表面から蒸発すると、気化熱が奪われ、体温を約1℃下げることができる。
(平成29年4月公表試験問題・第1種問44 ・ 第2種問30)

上記の文章は正しい内容ですが、これはどういう意味なのかをみていきましょう。

まず『気化熱』とは1gの液体が同じ温度の気体になるときに吸収する熱のことをいいます。
(例えば、人が汗をかくと、熱も体外に出ていきます。)


水1gが蒸発するときの気化熱は約0.58kcalです。

このため、例えば水100gが蒸発するときの気化熱は約58kcalになります。

次に人の比熱は0.83kcalです。
『比熱』とは、1kgの人の体温を1℃変化させるのに
必要な熱量です。

体重は人により違うので、体重が重くなれば体温を1℃変化させるのに必要な熱量も多くなります。
それを表すのが『熱容量』です。

熱容量は、比熱×質量で計算します。

体重70kgの人の熱容量は、
0.83kcal×70kg=58.1kcalになります。

70kgの人の体温を1℃変化させるのに必要な熱容量は58.1kcalであることがわかりました。
これは水100gが蒸発するときの気化熱58kcalとほぼ同じです。

つまり、体重70kgの人から100gの汗が蒸発すると体温が1℃下がるということになります。

以上から冒頭の文の内容は正しいということになります。

計算上、100gの水分体重70kgの人の体表面から蒸発すると、気化熱が奪われ、体温を約1℃下げることができる。

こちらの文章は覚えておきましょう。

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