こんにちは。衛生管理者試験 専門講師の高山です。
今回のテーマは『脳血管障害及び虚血性心疾患』です。

1.出題頻度は?

過去問(公表試験問題) 直近10回中『脳血管障害及び虚血性心疾患』の問題は7回出題されています。
※2019年10月~2024年4月までの過去問10回分の当社分析による。

2.『脳血管障害及び虚血性心疾患』の出題ポイント

(1)脳血管障害

①脳血管障害の分類

出血性病変 ➡ 脳の血管が破れる(脳出血・くも膜下出血)

虚血性病変 ➡ 脳の血管がつまる(脳梗塞)


②脳血管障害の病状



出血性病変

脳出血 ⇒ 脳実質内に出血する。

くも膜下出血 ⇒ 脳表面のくも膜下腔(くう)に出血する。「頭が割れるような」「ハンマーでたたかれたような」急激で激しい頭痛が特徴。


虚血性病変

虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、
脳血栓症脳塞栓症に分けられます。
☞試験では、脳血栓症と脳塞栓症の違いがよく出題されています。

脳血栓症脳血管自体の動脈硬化性病変

脳塞栓症 ⇒
脳以外の場所(心臓や動脈壁)でできた血栓が剥がれ、それが血管を流れてきて脳血管を閉塞するもの
 

(2)虚血性心疾患
虚血性心疾患とは、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害で、狭心症心筋梗塞があります。

・虚血性心疾患の病状
狭心症 ⇒ 心筋の一部分に可逆的(元に戻り得る)虚血が起こる
狭心症の痛みの発作が続く時間は、通常数分程度で、長くても15分以内におさまることが多いです。

心筋梗塞 不可逆的(元に戻れない)な心筋壊死が起こる。
☞心筋梗塞では、
突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が長時間続き、1時間以上になることもあります。

・運動負荷心電図検査
運動負荷心電図検査は、狭心症など虚血性心疾患の発見に有用です。

3.練習問題(正誤問題)にチャレンジ!

Q1
虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳塞栓症と、心臓や動脈壁の血栓などが剥がれて脳血管を閉塞する脳血栓症に分類される


Q2
虚血性心疾患は、門脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。

[正解・解説]
A1 ✖ り。説明が逆です。脳血管自体の動脈硬化性病変によるのは脳血栓症で、心臓や動脈壁の血栓などが剥がれて脳血管を閉塞するのは脳塞栓症です。

A2 ✖ 誤り。虚血性心疾患は、冠動脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害です。門脈は肝臓に血液を送る静脈です。


今回は脳血管障害及び虚血性心疾患について書きました。
お読みいただきましてありがとうございました。

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