２０２４年(令和６年)１０月に公表された過去問（公表試験問題）の出題事項を全問整理して解説コメントを付けました。
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第１種衛生管理者試験 ２０２４年(令和６年)１０月 公表試験問題
２０２４年１０月 第１種衛生管理者試験 公表試験問題（過去問）の出題ポイント解説
関係法令（有害業務）１０問
問１ 安全衛生管理体制（有害業務）
－本問の事業場の状況－
・製造業
・常時使用する労働者数 300人
・製造工程において著しく暑熱な場所における業務に常時40人従事
・選任している衛生管理者数 ２人
➡内１人は、この事業場に専属でない労働衛生コンサルタント。他の１人は、この事業場に専属で衛生管理者としての業務以外の業務を兼任している。２人とも衛生工学衛生管理者免許は有していない。
(1) 選任している衛生管理者数が少ないことが違反である。
➡違反ではない。常時使用する労働者数が201人～500人の事業場で選任が必要な衛生管理者数は２人以上。
(2) 衛生管理者として選任している労働衛生コンサルタントがこの事業場に専属でないことが違反である。
➡違反ではない。２人以上の衛生管理者を選任する場合、そのうち１人については、その事業場に専属でない労働衛生コンサルタントのうちから選任できる。
(3) 衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任した衛生管理者が１人もいないことが違反である。
➡違反ではない。本設問の事業場で常時使用する労働者数は300人であるため衛生工学衛生管理者の選任は不要。
■衛生管理者のうち１人を、衛生工学衛生管理者免許を有する者から選任しなければならない事業場
⇒常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働又は次の１～５の業務に常時30人以上の労働者を従事させる事業場
１．多量の高熱物体を取り扱う業務、著しく暑熱な場所における業務
２．ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
３．土石、獣毛等のじんあい、粉末を著しく飛散する場所における業務
４．異常気圧下における業務
５．鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これに準ずる有害物の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務
(4) 専任の衛生管理者が１人もいないことが違反である。
➡違反ではない。本設問の事業場で常時使用する労働者数は300人であるため専任の衛生管理者は不要である。
■専任の衛生管理者が少なくとも１人必要な事業場
⇒常時1,000人を超える労働者を使用する事業場または常時500人を超える労働者を使用する事業場で、一定の有害業務に常時30人以上の労働者を従事させる事業場
(5) 本問における衛生管理者の選任の状況については、違反はない。
➡正しい。本問における衛生管理者の選任の状況については、違反はない。
問２ 作業主任者
ドライアイスを使用して冷蔵を行っている冷蔵庫の内部における作業は、酸素欠乏危険作業に該当するため、酸素欠乏危険作業主任者の選任が必要。
問３ 石綿障害予防規則
石綿等を常時取り扱う作業場の床等については、水洗する等粉じんの飛散しない方法によって、毎日１回以上、掃除を行わなければならない。
問４ 機械等に関する規制査
放射線測定器は、厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡・貸与・設置してはならない機械等に該当しません。
問５ 有機溶剤中毒予防規則
－有機溶剤業務に該当するもの－
・接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務
・有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務
・有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務
・有機溶剤含有物を用いて行う文字の書込み又は描画の業務
－有機溶剤業務に該当しないもの－
・有機溶剤含有物で塗装した建築物又は工作物の解体若しくは破砕の業務
問６ 作業主任者
特定化学物質作業主任者は、技能講習を修了した者のうちから選任する。
問７ 酸素欠乏症等防止規則
パルプ液を入れたことのある槽の内部における作業は、第二種酸素欠乏危険作業に該当するため、酸素欠乏危険作業主任者技能講習ではなく、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任する必要があります。
問８ 健康管理手帳
水銀を取り扱う業務は、健康管理手帳の交付対象外です。
問９ 粉じん障害防止規則
特定粉じん発生源に係る局所排気装置に、法令に基づき設ける除じん装置は、粉じんの種類がヒュームである場合には、ろ過方式又は電気方式のものでなければならない。
問１０ 労働基準法（有害業務）
女性については、労働基準法に基づく危険有害業務の就業制限により、下表の重量以上の重量物を取り扱う業務に就かせてはならない。
| 年 齢 | 重量（単位ｋｇ） | |
| 断続作業の場合 | 継続作業の場合 | |
| 満１６歳未満 | １２ | ８ |
| 満１６歳以上 満１８歳未満 | ２５ | １５ |
| 満１８歳以上 | ３０ | ２０ |
労働衛生（有害業務）１０問
問１１ ガス、蒸気等による健康障害
アセトン ➡ 蒸気
ニッケルカルボニル ➡ 蒸気
二硫化炭素 ➡ 蒸気
ホルムアルデヒド ➡ ガス
硫化水素 ➡ ガス
問１２ リスクアセスメント
数値化法は、発生可能性および重篤度を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算または乗算等する方法です。
問１３ 有機溶剤による健康障害
メタノール ➡ 視神経障害
問１４ ガスによる健康障害
塩化ビニル ➡ 肝血管肉腫、指の骨の溶解、レイノー現象
問１５ 金属による健康障害
クロム ➡ 鼻中隔穿孔、肺がん、上気道がん
問１６ 有害光線による健康障害
電離放射線の被ばくによる発がんと遺伝的影響は確率的影響に分類される。確定的影響ではない。
確定的影響
造血器障害、中枢神経障害、白内障など。被ばく線量が一定のしきい値（影響の出る最低の線量の値）以上で発現する。症状の程度は線量に依存する。
確率的影響
発がん、白血病、遺伝的影響など。しきい値がなく被ばく線量が多くなるほど発生率が高まるが、被ばく線量が多いほど症状が重くなるわけではない。
問１７ 騒音による健康障害
等価騒音レベルは、ある時間範囲について、変動する騒音レベルをエネルギー的な平均値として表した量である。
問１８ 粉じんによる健康障害
けい肺は、遊離けい酸が原因で発症するじん肺である。
問１９ 労働衛生保護具
呼吸用保護具は、計算により求めた要求防護係数よりも大きな値の指定防護係数をもつものを選択する。
問２０ 局所排気装置
下図は、レシーバ式グラインダ型である。
関係法令（有害業務以外）７問
問２１ 衛生委員会
当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士を衛生委員会の委員として指名することができる。
問２２ 安全衛生管理体制（総括安全衛生管理者）
清掃業では、常時使用する労働者数が100人以上の事業場で総括安全衛生管理者の選任が必要になります。
問２３ 医師による面接指導
事業者は、面接指導を実施するため、タイムカードによる記録等の客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握し、その記録を作成して３年間保存するための必要な措置を講じなければならない。
問２４ ストレスチェック
ストレスチェックを受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、ストレスチェックの実施の事務に従事してはならない。
問２５ 事業場の建物、施設等に関する措置
労働者を常時就業させる場所の作業面の照度は、精密な作業は300ルクス以上、普通の作業は150ルクス以上、粗な作業は70ルクス以上としなければならない。
問２６ 育児時間
生後満１年に達しない生児を育てる女性は、育児時間を請求することができます。
問２７ 年次有給休暇
本問の労働者は【週所定労働時間が30時間、週所定労働日数が４日】なので、通常の労働者と同じ年次有給休暇が付与されます。継続勤務４年６か月なので付与日数は16日となります。
＊週労働時間が３０時間以上である点に注意しましょう！
労働衛生（有害業務以外）７問
問２８ 事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針
快適な職場環境の基準値の達成は、快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し、考慮すべき事項とされていません。
問２９ 職場における腰痛予防対策指針
腰痛の発生要因を排除または低減できるよう、作業動作・作業姿勢・作業手順・作業時間等について作業標準を策定することとされています。
問３０ 高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン
経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、企業全体の安全意識を高めるため、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明する。
問３１ 虚血性心疾患
虚血性の脳血管障害である脳梗塞は、脳血管自体の動脈硬化性病変による脳血栓症と、心臓や動脈壁の血栓が剥がれて脳血管を閉塞する脳塞栓症に分類されます。
問３２ 感染症
インフルエンザ発症後のウイルスの排出期間は、一般的に７日間程度であるが、この間、排出されるウイルス量は解熱とともに減少します。
問３３ 食中毒
腸炎ビブリオ菌は、熱に弱い。
問３４ 出血
静脈性出血・・・・浅い切り傷のときにみられ、傷口からゆっくり、とぎれることな
くあふれるような出血
毛細血管性出血・・擦り傷のときにみられ、傷口から少しずつにじみ出るような出血
労働生理 １０問
問３５ 血液
白血球数・血小板数は、正常値に男女による差がないとされています。
問３６ 心臓の働きと血液循環
心拍数は、右心房に存在する洞結節からの電気刺激によってコントロールされています。
問３７ 呼吸
肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換 ➡ 外呼吸
問３８ 栄養素の消化と吸収
胆汁はアルカリ性で、食物中の脂肪を乳化させ、脂肪分解の働きを助けるが、消化酵素は含んでいない。
問３９ 体温調節
甲状腺ホルモンの分泌により、代謝が亢進(こうしん)し、体温は上昇します。
問４０ 感覚器・感覚
内耳に伝わった音の振動は、蝸牛の中のリンパ液を介して有毛細胞に伝わるが、この時、振動数によって異なる部位の有毛細胞が振動するので音の高さの違いが伝えられる。
問４１ 神経系
神経細胞の細胞体が集合しているところを、中枢神経系では神経核といい、末梢神経系では神経節といいます。
問４２ 代謝
メッツ(ＭＥＴs)は、身体活動の強度を示す指標で、座位安静時の酸素消費量に対する運動時の酸素消費量で表される。
問４３ 免疫
リンパ球には、血液中の抗体を作るＢリンパ球と、細胞性免疫の作用を持つＴリンパ球があります。
＊Ｂリンパ球 ➡ 体液性免疫
＊Ｔリンパ球 ➡ 細胞性免疫
問４４ 腎臓
尿素窒素の検査は、血液検査で行われます。尿検査ではありません。
衛生管理者試験では、過去問の類似問題が多く出題されます。
見たことがない新しい問題も何問かは出題されますが、過去問をしっかりマスターしていれば合格できます。
過去５年分（１０回分）の過去問を繰り返し学習することをおすすめします。
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