第1種衛生管理者試験 2024年4月公表試験問題(過去問)の出題事項を3分でチェック!

2024年(令和6年)4月に公表された過去問(公表試験問題)の出題事項を全問整理して解説コメントを付けました。

◇問題は以下よりダウンロードできます。
第1種衛生管理者試験 2024年(令和6年)4月 公表試験問題

2024年4月 第1種衛生管理者試験 公表試験問題(過去問)の出題ポイント解説

関係法令(有害業務)10問

問1 安全衛生管理体制(有害業務)
本設問の事業場(常時600人の事業場。内、深夜業300人、多量の低温物体を取り扱う業務100人、特定化学物質 第三類物質を製造する業務20人)は、衛生管理者のうち1人を、衛生工学衛生管理者免許を有する者から選任しなければならない事業場には該当しません。

-衛生管理者のうち1人を、衛生工学衛生管理者免許を有する者から選任しなければならない事業場-
常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働又は次の1~5の業務に常時30人以上の労働者を従事させる事業場
1.多量の高熱物体を取り扱う業務、著しく暑熱な場所における業務
2.ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
3.土石、獣毛等のじんあい、粉末を著しく飛散する場所における業務
4.異常気圧下における業務
5.鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これに準ずる有害物の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務


問2 機械等に関する規制
放射線測定器は、厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡・貸与・設置してはならない機械等に該当しません。

問3 定期自主検査
第2種有機溶剤(トルエンを重量の5%を超えて含有)を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置は、定期自主検査の対象です。

問4 作業主任者
製造工程において硝酸を用いて行う洗浄の作業では、特定化学物質作業主任者の選任が必要です。

問5 作業環境測定
溶融ガラスからガラス製品を成型する業務を行う屋内作業場における気温、湿度及びふく射熱の測定は、半月以内ごとに1回行う必要があります。

問6 有害物質等に係る作業とこれを規制している労働衛生関係規則との組合せ
ドライアイスを使用して冷凍を行う冷凍庫の内部における作業は、酸素欠乏危険作業に該当するため、酸素欠乏症等防止規則で規制されています。

問7 有機溶剤中毒予防規則
第一種有機溶剤等又は第二種有機溶剤等に係る有機溶剤業務を行う屋内作業場について、作業環境測定を実施するのは、作業環境測定士です。有機溶剤作業主任者ではありません。

問8 酸素欠乏症等防止規則
ルプ液を入れたことのある槽の内部における作業は、第二種酸素欠乏危険作業に該当するため、酸素欠乏危険作業主任者技能講習ではなく、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任する必要があります。

問9 特定化学物質障害予防規則(特別管理物質)
■特別管理物質を製造又は取り扱う事業者が事業を廃止しようとするときに、特別管理物質等関係記録等報告書に添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない書類
① 作業環境測定の記録(又はその写し)
② 作業の記録[作業の概要、作業に従事した期間など](又はその写し)
③ 特定化学物質健康診断個人票(又はその写し) 

問10 労働基準法(有害業務)
多量の低温物体を取り扱う業務、重量物の取扱い等重激なる業務は、労働時間の延長が1日2時間を超えてはならない業務に該当します。

労働衛生(有害業務)10問

問11 特殊健康診断
情報機器作業に係る健康診断では、眼科学的検査、上肢の運動機能の検査などを行います。
下肢の運動機能の検査は検査項目にはありません。

問12 作業環境測定
B測定の測定値が管理濃度の1.5倍を超えている単位作業場所の管理区分は、A測定の結果に関係なく第三管理区分になります。

問13 ガスによる健康障害
二酸化窒素 ➡ 慢性気管支炎、歯牙酸蝕症

問14 有害光線による健康障害
電離放射線の被ばくによる発がんと遺伝的影響は、確率的影響に分類されますが、症状の程度が線量に依存するのは確率的影響ではなく確定的影響です。

確定的影響
造血器障害、中枢神経障害、白内障など。被ばく線量が一定のしきい値(影響の出る最低の線量の値)以上で発現する。症状の程度は線量に依存する

確率的影響
発がん、白血病、遺伝的影響など。しきい値がなく被ばく線量が多くなるほど発生率が高まるが、被ばく線量が多いほど症状が重くなるわけではない。

問15 有機溶剤による健康障害
二硫化炭素 ➡ 動脈硬化を進行させる。精神障害。

問16 空気中の有害物質
アセトン蒸気
塩素 ➡ ガス
テトラクロロエチレン ➡ 蒸気
ナフタレン ➡ 蒸気
フェノール ➡ 蒸気

問17 化学物質とがん
塩化ビニル肝血管肉腫

問18 リスクアセスメント
発生の可能性負傷又は疾病の重大性(重篤度)の組合せと定義されるのはリスクです。

問19 局所排気装置
キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類されます。 

問20 労働衛生保護具
防じんマスクは、ヒュームにも使用できます。

関係法令(有害業務以外)7問

問21 安全衛生管理体制(総括安全衛生管理者)
警備業では、常時1,000人以上の事業場で、総括安全衛生管理者の選任が義務付けられています。

問22 安全衛生管理体制(衛生管理者の職務)
労働者の健康管理等について、事業者に対して行う必要な勧告に関することは、産業医の職務です。衛生管理者の職務ではありません。

問23 ストレスチェック
常時50人以上の労働者を使用する事業者は、1年以内ごとに1回、定期に、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。

問24 安全衛生管理体制(産業医の職務)
安全衛生に関する方針の表明に関することは、総括安全衛生管理者の職務です。産業医の職務ではありません。

問25 定期健康診断
定期健康診断において、既往歴及び業務歴の調査は省略できません。 

問26 労働時間
機密の事務を取り扱う労働者については、所轄労働基準監督署長の許可を受けなくても労働時間に関する規定は適用されません。 

問27 年次有給休暇
本問の労働者は【週所定労働時間30時間、週所定労働日数4日】で、継続勤務3年6か月なので、付与日数は14日となります。
*週労働時間が30時間以上である点に注意しましょう!

労働衛生(有害業務以外)

問28 労働者の心の健康の保持増進のための指針
衛生委員会や安全衛生委員会において、ストレスチェック制度に関する調査審議とメンタルヘルスケアに関する調査審議を関連付けて行うことが望ましいとされています。

問29 健康の保持増進対策
-健康測定における運動機能検査の項目と測定種目-
敏しょう性全身反応時間 

問30 労働衛生管理統計(偽陽性率・偽陰性率の計算問題)

- 偽陽性率(%)の計算 -

偽陽性率とは、疾病無しの者を(スクリーニング検査で)陽性と判定する率をいいます。

偽陽性率は次の式で求められます。 
偽陽性率(%)=疾病無しの数の内スクリーニング検査陽性の数÷疾病無しの数全員×100

本問に当てはめると、
200÷975×100=20.5128…
➡ 偽陽性率は20.5%となります。

- 偽陰性率(%)の計算 -

偽陰性率とは、疾病有りの者を(スクリーニング検査で)陰性と判定する率をいいます。

偽陰性率は次の式で求められます。 
偽陰性率(%)=
疾病有りの数の内スクリーニング検査陰性の数÷疾病有りの数全員×100

本問に当てはめると、
5÷25×100=20
➡ 偽陰性率は20.0%となります。

問31 虚血性心疾患
くも膜下出血は、脳動脈瘤が突然破れ、くも膜の収まっているところに出血し脳を圧迫する病気で、突然の激しい頭痛で発症します。脳動脈瘤が破れて数日後に発症するのではありません。

問32 骨折
骨折に対する処置として、副子を手や足に当てるときは、骨折部分の上下の関節まで固定できる長さで、かつ、幅の広いものを用いるようにします。  

問33 食中毒
ノロウイルスの潜伏期間は1~2日。

問34 BMI
BMIは肥満や低体重(痩せ)の判定に用いられる指数で、この数値が大きいほど肥満の傾向があり、小さいほど痩せの傾向があります。

労働生理 10問

問35 呼吸
通常の呼吸の場合の呼気には、酸素が約16%、二酸化炭素が約4%含まれています。 

問36 神経系
神経細胞の細胞体が集合しているところを、中枢神経系では神経核といい、末梢神経系では神経節といいます。

問37 心臓の働きと血液循環
心臓は、右心房にある洞結節(洞房結節)で発生した刺激が、刺激伝導系を介して心筋に伝わることにより、規則正しく収縮と拡張を繰り返しています。  

問38 栄養素の消化と吸収 
脂肪は、膵(すい)臓から分泌される消化酵素である膵(すい)リパーゼにより脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。

問39 腎臓
・腎臓の皮質にある腎小体では、糸球体から血液中の蛋(たん)白質以外の血漿成分がボウマン嚢に濾し出され、原尿が生成されます。
・腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成されます。
・尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性です。
・尿酸は、体内のプリン体と呼ばれる物質の代謝物ですが、尿酸の量の検査は血液検査で行われます。尿検査ではありません。

問40 感覚器・感覚
平衡感覚に関係する器官である前庭及び半規管は内耳にあります。中耳ではありません。

問41 ホルモン
アルドステロン - 副腎皮質 - 血中の塩類バランスの調節 

問42 免疫
リンパ球には、血液中の抗体を作るBリンパ球と、細胞性免疫の作用を持つTリンパ球があります。 

*Bリンパ球 ➡ 体液性免疫
*Tリンパ球 ➡ 細胞性免疫

問43 ストレス
外部からの刺激であるストレッサーは、心身の活動を活発にしたり、抑圧したりという反応のひきがねになります。抑圧するばかりではありません。

問44 体温調節
体温調節中枢は、間脳の視床下部にあります。

衛生管理者試験では、過去問の類似問題が多く出題されます。
見たことがない新しい問題も何問かは出題されますが、過去問をしっかりマスターしていれば合格できます。
過去5年分(10回分)の過去問を繰り返し学習することをおすすめします。

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