問題 1か月単位の変形労働時間制に関する次の記述のうち、労働基準法上、誤っているものはどれか。
ただし、常時使用する労働者数が10人以上の規模の事業場の場合とし、「労使協定」とは、「労働者の過半数で組織する労働組合(その労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者)と使用者との書面による協定」をいう。

(1)この制度を採用する場合には、労使協定又は就業規則により、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えないこと等、この制度に関する定めをする必要がある。

(2)この制度を採用した場合には、この制度に関する定めにより特定された週又は日において1週40時間又は1日8時間を超えて労働させることができる。

(3)この制度に関する定めをした労使協定は所轄労働基準監督署長に届け出る必要はないが、就業規則は届け出る必要がある。

(4)この制度を採用した場合であっても、妊娠中又は産後1年を経過しない女性が請求した場合には、監督又は管理の地位にある者等労働時間に関する規定の適用除外者を除き、当該女性に対して法定労働時間を超えて労働させることはできない。

(5)この制度で労働させる場合には、育児を行う者等特別な配慮を要する者に対して、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならない。


解説
(1)正しい。1か月単位の変形労働時間制を採用する場合には、労使協定又は就業規則により、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えないこと等、この制度に関する定めをする必要があります。

(2)正しい。1か月単位の変形労働時間制を採用した場合には、この制度に関する定めにより特定された週又は日において1週40時間又は1日8時間を超えて労働させることができます。

(3)誤り。1か月単位の変形労働時間制に関する定めをした労使協定は所轄労働基準監督署長に届け出が必要です。就業規則も所轄労働基準監督署長に届け出が必要です。

■労使協定の届け出が必要
1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制、フレックスタイム制(清算期間が1か月を超える場合)

■労使協定の届け出が不要
フレックスタイム制(清算期間が1か月以内の場合)


(4)正しい。1か月単位の変形労働時間制を採用した場合であっても、妊産婦(妊娠中又は産後1年を経過しない女性)が請求した場合には、監督又は管理の地位にある者等労働時間に関する規定の適用除外者を除き、法定労働時間を超えて労働させることはできません。

(5)正しい。1か月単位の変形労働時間制で労働させる場合には、育児を行う者等特別な配慮を要する者に対して、育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければなりません。

*衛生管理者試験の公表問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が年2回(4月・10月)同協会のHPで公表しています。

これからもブログで、衛生管理者試験の過去問について書いていきますのでよろしくお願いします。

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