こんにちは。衛生管理者試験対策講習会 専門講師の高山です。
今回の衛生管理者試験対策ブログのテーマは『労働衛生保護具』です。
1.出題頻度は?
【労働衛生保護具】の問題は過去問(公表試験問題)直近10回中9回出題されています。
*2017年4月~2021年10月までの過去問10回分の当社分析による。
2.労働衛生保護具の種類
いろいろな労働衛生保護具がありますが、次のものを覚えましょう。
①防じんマスク
・空気中に浮遊する粉じんなどの粒子状物質をろ過材(フィルタ)で除去する。
・防じんマスクは作業に適したものを選択し、顔面とマスクの面体の高い密着性が要求される有害性の高い物質を取り扱う作業については、取替え式のものを選ぶ。
・手入れの際、ろ過材に付着した粉じんなどを圧縮空気で吹き飛ばしたり、ろ過材を強くたたいて払い落としたりしてはならない。
・面体の接顔部に接顔メリヤスは使用しない(粉じん等が面体内に入るおそれがあるため)。
②防毒マスク
・空気中の有害ガスや蒸気などを吸収缶で除毒する。
・面体と吸収缶で構成されている。
■吸収缶の色
一酸化炭素用=赤
有機ガス用=黒
アンモニア用=緑
シアン化水素用=青
ハロゲンガス用=灰・黒(二層にわける)
・吸収缶が除毒能力を喪失するまでの時間を破過時間という。
③電動ファン付呼吸用保護具
空気中に浮遊する粉じんなどの粒子状物質を、ろ過材(フィルタ)で除去し清浄化した空気を電動ファンで給気する。
④送気マスク
清浄な空気をパイプ、ホースなどにより作業者に供給する。
⑤自給式呼吸器
空気呼吸器と酸素呼吸器がある。
空気呼吸器 → 清浄な空気をボンベに詰めて作業者に供給する。
酸素呼吸器 → 高圧酸素容器等から酸素を作業者に供給する。
⑥保護めがね
研磨、粉砕、化学薬品取り扱いなどの作業で、飛散する粒子や薬品の飛沫などによる眼の障害を防ぐ。
⑦耳覆い(イヤーマフ)と耳栓【防音保護具】
耳覆い(イヤーマフ)と耳栓のどちらを選ぶかは作業の性質や騒音の性質で決まるが、強烈な騒音に対しては併用も有効。
3.最近の過去問(正誤問題)チェック
(※実際の問題は5肢択一式です)
Q1 防じんマスクの手入れの際、ろ過材に付着した粉じんは圧縮空気で吹き飛ばすか、ろ過材を強くたたいて払い落として除去する。
A1 誤り。圧縮空気で吹き飛ばしたり、ろ過材を強くたたいて払い落として除去することは、ろ過材を破損させたり、粉じん等を再飛散させるので行ってはなりません。
Q2 一酸化炭素用の防毒マスクの吸収缶の色は、赤色である。
A2 正しい。一酸化炭素用=赤です。
Q3 高濃度の有害ガスに対しては、防毒マスクではなく、送気マスクか自給式呼吸器を使用する。
A3 正しい。高濃度のときは、防毒マスクの吸収缶の吸収能力が短時間で失われてしまうため、送気マスクか自給式呼吸器を使用します。
Q4 防音保護具は、作業の内容や騒音の性質に応じて耳覆い(イヤーマフ)又は耳栓のどちらかを選んで使用し、両者の併用は避けなければならない。
A4 誤り。非常に強烈な騒音には両者の併用も有効です。
Q5 防じんマスクは作業に適したものを選択し、高濃度の粉じんのばく露のおそれがあるときは、できるだけ粉じんの捕集効率が高く、かつ、排気弁の動的漏れ率が低いものを選ぶ。
A5 正しい。問題文の通りです。
Q6 2種類以上の有害ガスが混在している場合には、そのうち最も毒性の強いガス用の防毒マスクを使用する。
A6 誤り。防毒マスクの吸収缶は、最も毒性の強いガス用の防毒マスクを使用しても他の有害ガスには効果がありません。
Q7 防じんマスクは作業に適したものを選択し、顔面とマスクの面体の高い密着性が要求される有害性の高い物質を取り扱う作業については、取替え式のものを選ぶ。
A7 正しい。問題文の通りです。
Q8 保護めがねは、赤外線などの有害光線による眼の障害を防ぐ目的で使用するもので、飛散粒子、薬品の飛沫等による障害を防ぐものではない。
A8 誤り。保護めがねは、飛散粒子、薬品の飛沫等による眼の障害を防ぐために使用します。赤外線やレーザーなどの有害光線による眼の障害を防ぐ目的で使用するのは遮光保護具です。
今回は、労働衛生保護具について書きました。
お読みいただきましてありがとうございました。
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